結論:本体価格ではなく「1年目の総額」で決まる
AIボイスレコーダーは本体を買って終わりではなく、文字起こしの時間をプランで買う道具です。本体だけを見比べると判断を間違えます。
主要3ブランドを、本体+1年分のプランで並べると次のようになります(すべて税込・2026年8月時点の各社公式サイト)。
| 組み合わせ | 本体 | プラン(年) | 1年目の総額 | 文字起こし枠 |
|---|---|---|---|---|
| オートメモ R + プレミアム | 13,860円 | 14,800円 | 28,660円 | 30時間/月 |
| オートメモ S + プレミアム | 19,800円 | 14,800円 | 34,600円 | 30時間/月 |
| Notta Memo + プレミアム | 23,500円 | 14,220円 | 37,720円 | 1,800分/月 |
| PLAUD Note + 年間プロプラン | 27,500円 | 16,800円 | 44,300円 | 1,200分/月 |
| PLAUD Note + 年間無制限プラン | 27,500円 | 40,000円 | 67,500円 | 無制限 |
2年目からはプラン代だけ(14,800円/14,220円/16,800円/40,000円)になります。つまり本体の差は初年度だけの話で、長く使うほどプランの月額差が効いてきます。
30時間/月・1,800分/月とはどれくらいか
1回1時間の会議なら月30本、週に7〜8回のペースです。ふつうの管理職なら上位プランを使い切ることはまずありません。枠が余っているなら、その分は払い過ぎです。
月の会議時間から選ぶ早見表
選定の分岐点は「録音して文字起こししたい時間が月に何分あるか」の1点だけ。まず先月の会議時間を数えてください。
| 月の会議時間 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 〜1時間 | 買わずに無料枠で試す | 3社とも無料枠がある(下記) |
| 1〜5時間 | オートメモ R(無料枠+都度チャージ) | 本体13,860円で最も安く始められる |
| 5〜20時間 | オートメモ R + プレミアム | 1年目28,660円。総額が最も軽い |
| 20〜30時間 | Notta Memo または PLAUD Note | 多言語・要約テンプレの差で選ぶ |
| 30時間超 | PLAUD 年間無制限プラン | 上限を気にせず回せるのはここだけ |
3機種の中身の違い
PLAUD(Note / Note Pro / NotePin)
要約テンプレートの多さとセキュリティ認証が強み。値段は3社で最も高い。
- 本体:Note 27,500円/Note Pro 30,800円/NotePin 27,500円/NotePin S 28,600円
- Note は厚さ2.99mm・重さ30g・最大30時間録音・64GBを内蔵。NotePin は16.6g のウェアラブル型で連続20時間
- 112言語の文字起こし、話者ラベル、要約テンプレートは1万種類以上
- ISO 27001/SOC 2 Type II/HIPAA/GDPR 準拠を公式に明記
- 無料のスタータープランが月300分付いてくる(3社で最も長い)
- オンライン会議は PC 用の Plaud Desktop で、会議ボットを入れずに録音できる
カード型でスマホの背面に貼れるので、対面と通話の両方を1台で拾いたい人に向きます。
オートメモ R / S(ソースネクスト)
月30時間を最も安く回せる国産機。1年目の総額はPLAUDの約3分の2。
| オートメモ R | オートメモ S | |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 13,860円 | 19,800円 |
| 本体での文字起こし確認 | できない | できる(2.83インチ画面) |
| 重さ | 約68g | 約88g |
| 録音時間 | 約12時間 | 約16時間 |
| 待機 | 1か月以上 | 120時間 |
| 対応言語 | 72言語 | 72言語 |
- プランは無料が月1時間、プレミアムが月1,480円/年14,800円で月30時間
- 録音データはWi-Fi経由でクラウド保存、保存件数・期間に制限なし
- 集音距離は5m、要約は「決定事項」「共有事項」の形で出る
R は画面がないぶん安く、文字起こしはスマホ・PCで読む前提です。会議室に置いて録るだけの使い方なら R で足ります。
Notta Memo
多言語と、PCに直挿しできる取り回しが強み。既にNottaを使っているなら本体を足すだけ。
- 本体:Notta Memo 23,500円/Type-C充電モデル 25,500円
- 厚さ3.5mm・28g・連続30時間録音、58言語に対応
- プランは Notta 側(フリー120分/月・連続3分まで/プレミアム年14,220円で1,800分/月/ビジネス年30,096円で無制限)
- Zoom・Teams・Google Meet の文字起こしやChrome拡張はプラン側の機能なので、アプリだけ先に無料で試せます
買わずに済むケース
月1時間以下しか会議を録らないなら、いま買う必要はありません。無料枠で足ります。
| サービス | 無料でできる文字起こし | 制限 |
|---|---|---|
| PLAUD スタータープラン | 300分/月 | 本体購入が前提 |
| Notta フリー | 120分/月 | 1回3分まで・要約は月10回 |
| オートメモ お試し | 60分/月 | データ閲覧は7日間 |
Notta のフリープランはアプリ単体で使えるので、手持ちのスマホで録音して試せます。ここで「文字起こしの精度は自分の会議で実用になるか」を確かめてから本体を買うのが、いちばん失敗しない順番です。
要約のクセを自分好みにしたい場合は、文字起こしテキストを手元のAIに渡すやり方もあります。手順はAIで議事録を自動作成する完全ガイドにまとめています。長い会議録を要点だけに畳む方法はAIで長い文書を要約する手順が近いです。
買う前に決めておく3つのこと
機種選びより先に決めておかないと、導入した後で止まります。
- 録音の告知ルール:会議の冒頭で「記録のため録音します」と伝える運用にする。黙って録るとトラブルの火種になります
- 持ち出し可否:3社とも文字起こしはクラウド処理です。顧客名・単価・人事の話を含む会議を上げてよいか、社内で線を引いてから配る
- 議事録の置き場:文字起こしはそのままでは資産になりません。決定事項とTODOだけを共有フォルダに残す形を先に決めます
この3つが決まっていないと、機械だけ増えて議事録は手書きのまま、という状態になりがちです。全体の進め方はAIで業務効率化する方法まとめを、ほかに自動化できる仕事の候補はAI自動化のアイデア集を参照してください。
よくある質問
Q. 結局どれを買えばいいですか? A. 月20時間未満ならオートメモ R + プレミアム(1年目28,660円)が最も総額が軽くなります。多言語や要約テンプレートを重視するなら PLAUD、既にNottaを使っているなら Notta Memo です。
Q. スマホの録音アプリではだめですか? A. 月1時間程度なら十分です。専用機が効くのは、①スマホを触らずに録り始めたい ②長時間の会議でバッテリーを気にしたくない ③離れた席の声を拾いたい、の3つが重なったときです。
Q. 無料プランだけで使い続けられますか? A. 使えますが枠は小さめです(PLAUD 300分/Notta 120分/オートメモ60分・いずれも月あたり)。オートメモの無料プランはデータ閲覧期間が7日間なので、記録を残したいなら有料プランが前提になります。
Q. 文字起こしの精度はどれくらいですか? A. 各社とも数値を公表していますが、精度は会議室の反響・話者の重なり・専門用語で大きく変わります。自分の会議で試すのが唯一の確認方法です。無料枠のあるうちに、いちばん条件の悪い会議で試してください。
Q. 買い切りで月額なしのモデルはありますか? A. 本体は買い切りでも、文字起こしはクラウド処理なので3社とも従量またはサブスクです。月額を完全になくしたい場合は、ふつうのICレコーダーで録って、パソコン上で動く文字起こしを使う構成になります。
Q. 経費ではどう扱いますか? A. 10万円未満なので、通常は消耗品費などで一括処理できます。プラン料金は通信費・支払手数料などの費用科目です。判断に迷う場合は顧問税理士に確認してください。
Q. 議事録の担当を減らせますか? A. 「書く人」は減らせますが、「決める人」は残ります。文字起こしと要約は自動化できても、決定事項の言い切りとTODOの担当・期限の確定は人の仕事として残る前提で設計してください。
まとめ
- 選定基準は月の会議時間ひとつ。先月の実績を数えるところから始める
- 比べるのは本体価格ではなく1年目の総額、そして2年目以降のプラン代
- 月20時間未満ならオートメモ R が最安、無制限で回すなら PLAUD、多言語なら Notta Memo
- 買う前に「録音の告知・持ち出し可否・議事録の置き場」を決めておく
※本記事の価格・仕様は2026年8月時点で各社公式サイト(PLAUD/オートメモ/Notta)を確認して記載しています。価格は変動するため、購入前に最新情報をご確認ください。